料理検定菓子検定

問題作成の先生からメッセージ

和菓子担当 仲 實先生
仲 實先生

おひなさまを飾って女の子の成長を願うひな祭りには、ひし餅や草餅。
こどもの日で知られる端午の節句には、ちまきや柏餅。
春や秋のお彼岸には、ぼた餅とも呼ばれるおはぎ。
日本には、さまざまな伝統的な行事がありますが、これらの行事ごとに、関係の深いお菓子があります。もしかしたら、最近は、あまり知られていないかもしれませんね。

デパートのお菓子売り場を見ても、和菓子は洋菓子に押されぎみです。洋菓子の方が売り場面積は大きいし、華やかだし、ふらっと見て歩くだけでもワクワクしますね。
一方、和菓子の売り場は、どっちかというと地味で、落ち着いた雰囲気なので、寂しいことに、あまりテンションが上がりません。

こんなことではいけないっ!と私は思います。なぜかというと、和菓子には、洋菓子に負けないくらい、おいしいお菓子がたくさんあるからです。そして、ちょっと踏み込んで、行事との関わりや、お菓子が作られた歴史などを知ると、とっても楽しいのです。
「どら焼き」の名前の語源は?
ザ・和菓子という雰囲気の「ようかん」は、実はひつじと関係している?
「かすてら」って実は……
別名「半殺し」っていう物騒な名前のお菓子は?

すべて、菓子検定3級の問題集に書きました。
クール・ジャパンとして、世界に注目されている日本文化。自分の生まれ育った国のおいしいお菓子のことを、外国の人にちょっとでも解説できたら、話のきっかけとなって、会話が弾むかもしれませんよ。

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製菓技術顧問 川北 末一先生
川北 末一先生

お菓子は「材料」を正確に計って混ぜ合わせればでき上がるのではありません。
そこに、「技術」や「五感」の働きを組み合わせてはじめて、完璧なお菓子ができあがります。
材料ひとつずつの役割や、組み合わせ、特性を考えながら、一分一秒変化するお菓子の状態を知ることがお菓子づくりの真髄です。
この心構えは、お菓子製造の現場でも、私たちが辻製菓専門学校で行っている授業でも同じです。

また、お菓子には長年愛されてきた伝統的なものがたくさんあります。どこの国、地域でいつごろ生まれたのか、どのような時に食べるお菓子なのかなど、歴史的、文化的な背景について知ることも大切です。西洋から取り入れられた洋菓子と、わたしたち日本人の暮らしや文化に根ざした和菓子とを比べてみることは、双方をより深く理解することにつながると思われます。

これら多くの視点から、菓子検定の洋菓子、和菓子についての問題や解説は、お菓子に興味を抱いていただくための入り口として制作しています。この検定を通じてお菓子のおもしろさを知り、いずれは実際にお菓子づくりに挑戦して頂きたいと願っています。

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辻調グループ教材部 松井 幸一先生
松井 幸一先生

いい食材とは、その料理に合った食材だと思っています。

いい食材とはどんなものでしょう、と聞くと、新鮮なものという答えが返ってくることが多いのですが、鮮度がよければ、どんな料理にでもよいのではありません。どうやって食べるのか、料理法によって求められる食材の状態は違うのです。
例えば、フランス料理の「スズキ(鱸)のパイ包み焼き」に使うスズキは、獲れたての新鮮なものは使わず、あえて2~3日寝かせたものを使います。この料理は、丸ごと1尾のすずきに詰め物をして、魚の形にそってぴったりとパイ生地で包んで、焼き上げるものですが、新鮮なスズキを使用すると、魚が反ってしまい、美しいパイ包みにならないからです。
料理店では、提供する料理によってベストと考えるタイミングの食材を使用しています。このような知識があると、日常の料理や料理店での食事が違った視点で見ることができ、楽しくなってくると思います。
料理検定では多くの食材・調味料の基本について学ぶことができますが、ぜひ実物を見て、触ってほしいと思います。そうすることで食材の見る目を養い、料理に合った食材を選ぶことがきっとできるようになるはずです。

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西洋料理技術顧問 永作 達宗先生
永作 達宗先生

イタリア料理と聞いて思い浮かべるものは何でしょう。オリーブオイル、あるいはトマト?

イタリア中部から南部はオリーブオイルを使うことが多いのですが、酪農が盛んな北部ではバターが中心です。バターやチーズなどの乳製品をたっぷりと使った濃厚なソースも少なくありません。

古代ローマ時代にすでにイタリアの地に根づいていたオリーブ。その実から取れる油は2000年にわたって利用されてきました。イタリアで栽培されているオリーブの品種はなんと約300種。風味の穏やかなもの、濃厚でピリッと刺激的なものなど、地域ごとに特長の異なるオイルがあり、その色も黄金色から濃い緑色まで千差万別です。

機械を使って収穫して大量生産する企業もあれば、実の成熟を見極めて傷つけないように手摘みで収穫し、1本5000円もするような品質の高いオイルを作っている小規模農場もあります。これほど高品質で高価なオイルを加熱調理に使うなんてもってのほか。せっかくのオリーブの風味が台無しです。料理をおいしくする「魔法の調味料」のごとく、仕上げに使われるのがほとんどです。

誰もが知るイタリア料理の定番といえばパスタやピッツァ。どちらにもトマトは欠かせない食材です。このトマトがイタリアに伝わったのは16世紀。遠く南米からやってきたものの、最初は単なる鑑賞用として扱われます。毒を持つ植物だと考えられていたためです。後に食糧難で困った南部の人たちが試行錯誤を重ね、食べられるトマトを生みだしました。この食用トマトは、気候が適していたこともあって18世紀には南部で盛んに栽培されるようになっていきます。

そしてピッツァの誕生は17世紀。当時はラード、バジリコ、チーズをのせたものでした。トマトを使ったピッツァが広まるのは18世紀後半以降です。もちろんこの頃まではトマト味のパスタ料理もありません。オリーブがイタリア料理界の長老なら、トマトはまだまだ新参者というわけです。

最後にイタリア料理を最もよく表している言葉をご紹介します。
「イタリアにイタリア料理はない。あるのは郷土料理だけだ。」
イタリアは古代ローマからの長い歴史を持ちながら、国家として統一されてわずか150年という古くて新しい国です。南北に細長い地形のため気候風土や産物が異なるのはもちろん、各地で大小さまざまな国家が独自の文化を育んできたという背景が現在のイタリア料理に深く関わっているのです。

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西洋料理技術顧問 西川 清博先生
西川 清博先生

フランス料理のおもしろさは、時代に合わせて変化しているところにあります。
伝統にうるさく格式ばった料理と思われていそうですが、実は新しいものを取り入れるのが得意なのです。

50年ほど前のフランス料理は、脂肪分たっぷりのリッチで濃厚なソースがたっぷりかかったものでした。
そこに変化が生まれたのは1960年代半ばごろ。当時の若い料理人たちが新しい感覚を取り入れた料理を作り始めました。
その特徴は、小麦粉を使わないさらさらのソース。若い世代の好みが、複雑で濃厚な料理から、シンプルで軽い料理に変わっていたことを、彼らはしっかりキャッチしていたのです。
その料理はヌーヴェル・キュイジーヌと呼ばれて世界中で大流行しました。しかしフランス料理はそこで止まることなく、健康志向の高まりを受けてさらに軽さを追求していきます。
そして1980年代には、ソースをハンドミキサーで泡立てた、ふわふわの泡のソースが登場しました。
50年前はソースの縁に浮いたひとつの泡もダメとされていたのが、30年後には泡そのものが最先端のソースになったのです。
このソースの変化だけを見ても、フランス料理が時代とともに変わってきたことがよくわかります。

変化し続けるフランス料理は、長く付き合うほどおもしろい世界です。
食材や料理への興味を足がかりに、その一端でも垣間見ていただければうれしく思います。

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中国料理技術顧問 松本 秀夫先生
畑 耕一郎先生

日本でよく食べられる中国料理のひとつに『焼き餃子』があります。
ニンニクや野菜、豚肉などの餡を包み、薄めの皮がパリッとしていて中はジューシーな焼き餃子。
とてもおいしいのですが、実は馴染みの深いニンニクを入れた皮の薄い焼きギョウザは、日本風にアレンジされたものといわれます。

餃子は中国北部の広い地域で古くから食べられ、日常の主食、一般的な小吃(おやつの類)になり、また、春節などの行事食としても知られています。

中国で餃子といえば『水餃子』を主流に、蒸し餃子、焼き餃子もあります。

水餃子の皮は水で練り、餡を包んで半円形でしっかりと口を閉じます。水で練った皮は弾力が強く、モチモチになって茹でても破れにくいのです。蒸し餃子、焼き餃子の皮は熱湯を使って作り、襞を取って三日月形に包みます。

ちなみに中国では焼き餃子のことを『鍋貼』といい、蒸し餃子を翌日、食べるときに焼いたのが始まりとか。主食としての餃子は皮が厚く、少ない餡でもお腹がいっぱいになるように作られます。

一方、日本の焼き餃子は御飯のおかずにも合うように皮が薄くなったと考えられています。中国の人は「餃子が御飯のおかず?」と不思議に思っているようですが。

餃子の餡には様々な種類がありますが、普通はニンニクを入れません。中国の餃子には生のニンニクや酢漬けにしたものを添えて食べます。日本ではニンニクを生で食べることがなかったので餡の中に入れ、最初は火を通すためでしたが、その独特の風味が人々に好まれて広く普及したのです。

こういった歴史をひも解いていくと、『焼き餃子』はもしかすると日本食かもしれませんね。

その証拠に今、中国では日本の焼き餃子(日式鍋貼といいます)が流行っているとか。

これら、食文化の流れはとても興味深いと思いませんか?

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日本料理技術顧問 畑 耕一郎先生
畑 耕一郎先生

生活の基本となる「衣」「食」「住」のうち、食は密接に私達の生活に関わっています。食についての楽しい時間は、毎日3回必ずやってくるのです。

ところで、皆さんは、料理に欠かせない調味料といえば何だと思われますか。
それは「塩」です。
どの国の料理でも、塩は重要な調味料ですが、日本料理では、塩味をつけること以外にも、独特の使い方がいくつかあります。

そのうちのひとつに、「魚に塩をする」というものがあります。
塩味をつける意味も、もちろんあるのですが、塩の持つ脱水作用で水分を抜くと同時にくせを抜き、食感を高めるのです。

では、具体的にどのようにしたらよいのか。

まず、塩の振り方が大切です。
まんべんなく振るためには、材料の上30cmくらいの高さから振るとよいともいわれます。確かに、われわれプロはそうします。でも、ご家庭でこの方法を使うと、台所が塩だらけになってしまいませんか?
そもそも、振ろうとする塩が湿っていては、いくら高い位置から振ってもまんべんなくは振れません。われわれプロは、あらかじめ煎り塩というものを作っておきます。何も入っていない鍋に塩を入れて水分を飛ばすと、湿っていたときは、多少の固まりになっていた塩が、さらさらとした状態になります。ご家庭では、この塩を出口に小さな穴のあいた容器や茶漉しになどに入れ、材料から少し離れた位置から振ると、十分にまんべんなく振れるのです。

「え?うちの塩はずっとさらさらですよ?」と思われる人があるかもしれませんね。このタイプの塩は、単純にいうと塩の粒の表面にコーティングが施されています。味つけには問題はありませんが、魚の水分を抜くには、このタイプは向きません。魚の身に浸透して水分と一緒にくせを抜くという効果が期待できないからです。容器から出してしばらくおくと、空気中の湿気を吸って湿ってしまうような塩(天然の塩)が、われわれ料理人の使いやすい塩なのです。最近はさまざまな種類の塩が売られていて、いざ、買おうとすると、どれがいいのか分からなくなってしまいますが、日本料理の料理人は、塩化ナトリウムの純度が高く、ほうっておくと湿気を吸うような塩を選びます。

では、たとえば焼き魚を作るとき、塩はどれくらい前に振るとよいでしょう。これは、検定試験の問題集(3級38ページ)に書きましたので、そちらを読んでください。

検定試験の問題集に書いている内容は、料理に必要な知識のほんの一部です。これを足がかりとして、料理の世界に興味を持って、同じ作るなら、少しでもおいしい料理ができるよう、工夫していただけたらと思います。
贅沢な食材でなくていいのです。いつもの食事をほんの少し工夫するだけで、見違えるようにおいしくなりますよ。そのためには、基本的な知識が必要です。がんばってください。

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